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---以下轉自香港電影迷宮+blog---
鮑起静(パウ・ヘイチェン)、梁進龍(ジュノ・リョン)、陳麗雲(チャン・ライワン)、高志森(クリフトン・コウ)、崔允信(ヴィンセント・チョイ) 許鞍華(アン・ホイ):監督
天水圍の公屋(政府の建てた団地)に住む親子を中心にごく普通の人の普通の生活を描く。
映画が始まると、朝早くからスーパーで働く貴姐(鮑起静)と、1日中家でゴロゴロとしている息子の安(梁進龍)がうつる。母は帰ってくると夕食を作り息子と食べる。次の日も同じ。ある日、安は友人の家に遊びに行く。友人たちはゲームをしたり麻雀をしたり、でも安は夕食時になるとちゃんと家に帰ってきて母と食事をする。またある日、安は学校でキリスト教のボランティア学習に出席するが、やはりさっさと家に帰ってきてしまう。母はスーパーで働きたいと言った老女が同じ団地に住むと知り、彼女をいろいろと助けてやる。老女の娘は亡くなっており孫がいるが、孫の継母に気遣い会いに行けないでいる。
なんでもない日常が映し出されて行く。貴姐の母が病気で入院したり、従兄の母が亡くなったりするのだが、特に大きなことは起きない。2人暮らしの親子は慎ましく生活し、一見あまり幸せそうに見えないし、息子の安は無為な日々を送っているように映し出される。しかし安は夏休み中で家にいて、もすぐ會考(統一試験)。実は母の言うことを好く聞く良い子であり、成績もけして悪くはないようだ。そして貴姐の母は孫の安に向かって「母親は14歳から働き、兄弟の学費をすべて稼いできた」と語る。そしてモノクロの写真が挿入される。いまの香港を築いた人はみな似たような境遇だといいたげだ。貴姐の妹の家族は羽振りがいいようで西貢の匡湖居に住んで、お手伝いも雇っている。妹の夫(高志森)は甥である安に、香港で進学できなかったら海外に留学させてやる。お金は心配しなくていいと言っている。
許鞍華は、天水圍に住む人々もその他の香港の地区に住む人と何も変わらないのだと言っている。また同じ天水圍をテーマに若者たちを描いた劉國昌(ローレンス・ラウ/ローレンス・アモン)の《圍城》(id:hkcl:20080323)とは大いに異なり、許鞍華の描く若者は少々無気力気味だが、けして無軌道ではない。出演者の誰もがどこにでもいそうな人だ。許鞍華はけれんもてらいもなく淡々と淡々と、大袈裟な脚色もせず人々を映し出していく。少しばかり悲哀と少しばかりの明るさを込めて、ひたすら天水圍の真実の姿は、悲劇の舞台などではないと言っている。
何も起こらない。たぶんほとんどの人は面白いとは思わないだろう。許鞍華の映画はどんどんけれんや装飾が無くなっていって、過度な感情もなくなって映像が素直になっていく。何も特別なことが起こらないストーリーを、そのまま素直に撮るのは実はすごく難しいと思うのだ。だからこそいたく感動した。2008.3.27@香港国際電影節(文化中心) |
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